インドのデリーで2週間ニートしてた話①

プロローグ

僕は、今、大学生4年生でゼミ長という役職についている。

ゼミ長といっても、名ばかりで、基本的に呑み会を開催するのが仕事の呑み会係長みたいな感じだ。

そんな訳で、割とゼミ生と飲みにいく機会が多いのだが、とある日の呑み会で、人数が集まらな過ぎて、後輩とサシ飲みをすることになったのである。

その子とは、呑み会では顔を合わせて話すものの、2人だけで話したことはなかった。

サシ呑みをしたことのある人は分かるかもしれないが、サシ呑みをすると、途中から話すことがなくなってくる。

そうすると、話題はどんどんお互いの個人的な話になっていきがちだ。

過去の話から、その人の性格や思考などが垣間見えるため、僕はサシ飲みが割と好きなのだが、その日もサシ飲みらしい呑み会になった。

最初は、専らゼミや学校のことについて話をしていたが、話題はだんだんと、過去どんな人と付き合ったとか、何が好きで何が嫌いかとかそういう具合になってきた。

そんな折、その子がこの前1人でキューバに行ってきたという話をしたので、自然と自分が過去行ったことのある国の話になった。

僕は、大学1年生の時に、バックパッカーとしてタイとインドに行ったことがあった。

その話をすると、彼女がやたらと食いついてきたので、自分の1ヶ月間のインド旅の経験談を語った。

全て語り終わった後に、彼女から、

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ゼミの後輩

な、なんでそんな話今まで黙っていられたんですか?!?!不思議でたまらないです!

私だったら、友達全員に話してますよ!そんな話!

 と言われた。

 

なるほど、自分にとっては、当たり前のことでも、他人からすると、そうではないことがよくあるらしいが、やはりこの話もそういった類なのかもしれないなと思った。

今、もうインドの記憶は、だいぶ薄れていってしまっているが、それでも3年前確かに僕はインドに行った。

そして、もう1度行きたいとは思わなくなるような経験をした。

SNSなどでは、インドに行って〇〇だった系の話が溢れていて、正直、自分なんかよりエゲツない被害に合われている方を結構見かける。

そのため、これまでは自分の話など、書くに値しないだろうなと思っていた。

しかし、彼女の一言で、何だか書いてみてもいいような気がしてきた。

このタイミングで、昔の記憶を記録に残しておくことには、何か意味があるような気がする。そんな気持ちでこの記事を書いてみることにした。

 

今日から何日間か、全5記事分で、「インドのデリーで2週間ニートしてた話」という題で経験を書いていく。

インドで実際に経験したことを、自分の記憶を辿って綴ってみるコラム。興味のある方はぜひ読んでいって欲しい。

インドに行こうと思ったきっかけ

この話をすると、「なんで、インドに行こうと思ったの?」と聞いてくる人がとっても多い。

僕自身、もともとインドに実際に強烈に行きたいと思っていた訳ではなかった。

大学1年生の夏休みにタイに1人旅しに行った。それが初めての海外だった。

元々、高校生、いや中学生の時から、大学生になったら、海外を回ってみたいと思っていたし、なんというか1人旅欲が異常にあった。

タイはバックパッカーの聖地だったし、初めての海外で何も知らない18歳だった僕をみんな受け入れてくれた。

インドに行こうと思った明確なきっかけは、タイのバンコクで、結構長く滞在していたゲストハウスの主人に、「次はインドに行くと良い。旅人なら1度は行くべきだ。」と言われたのがきっかけだった。

ほう、そういうもんか。と思って、僕は、次の春休みに長い休みを使ってインドに行くことにした。

だから、なぜインドに行ったのか、と聞かれたら、「タイでそう言われた。」と答えることにしている。

インドへ出発。空港での出会いが旅を左右した。

東南アジアを旅したことのある人は、分かるかもしれないが、東南アジアの国々は、意外と危ないと思われがちだが、現地の人は意外と優しく接してくれる。

ベトナムにもカンボジアにもミャンマーに行った友達に同じ話をしたら、やはり彼も同意してくれたので、これは全ての人に当てはまるのではないだろうか。

そういうのもあって、僕は、東南アジアと同じような感覚でインドに行った。

今思うと、もっと警戒するべきだったと思うが、「旅ってこういうもんだろ」みたいなものが、たった1回の旅自分の中で出来上がってしまいつつあった。

  

インドへは、中国東方航空を使って行った。

3ヶ月前に飛行機を予約して、往復5、6万円くらいだったと思う。

航空券サイトで調べて、1番安いものを買った。

中国東方航空の便は、激安なだけあって、機内も貧相だし、トランジットがある。

香港で飛行機を乗り継いで行くため、13時間くらいかかった覚えがある。

香港からインド行きの便に乗った時は、周りは8割くらいインド人で、アジア人は、僕と他数名しかいなかった。

機内では、日本から持ってきた小説を読んだり、「地球の歩き方 インド」を読んで、どこに行くべきか、通貨は何か、食事のマナーはどんなのか、などについて調べていた。

そうこうしているうちに、深夜2:30くらいにインディラ・ガンディー空港に到着。

前にタイに行った時も、「インドは危ないぞ」「インド人は騙してくるから気をつけろ」と言われていたので、ある程度の警戒心はあった。

流石に、こんな深夜から街に出ていってもやることもないし、危ないなと思っていたので、朝来るのを待って、空港の床でバッグを枕にして寝ることにした。

眠るとも言えないような睡眠をとって、起きたのが午前5:00。

流石に明るくなるかと思っていたが、まだ外は真っ暗だった。

まあ暗いけど、街に向かっているうちに明るくなってくるだろうと思い、動き始めることにした。

僕は、デリーの空港から出て、まずは繁華街であるニューデリーに行って、安宿を探し、そこで数日泊まってから、どこに行くかゆっくり考えるというプランだった。

「地球の歩き方」によると、「空港からニューデリーまでは、地下鉄が通っているため、それに乗れば、簡単にニューデリーまで出れる」というようなことが書いてあった。

僕は起き上がってから、なんとなく地下鉄っぽい標識を辿って、地下鉄の入り口らしいところまで辿り着いた。

 

入り口から先は一本道になっていて、歩いていけば、その先に地下鉄があるようなことが表示板に書いてあった。

僕は、そのまま奥に向かって歩いていった。

しばらくすると、道の途中で券売機のようなところに辿り着いた。

しかし、困ったことに券売機の電源が入っていない。

近くに窓口のようなところもあるが、そこにも人はいなかった。

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ゆーが

あれ?おかしいな、まだ朝早すぎてやってないのかな?

そう思って、先に歩いて行こうとした時、近くに立っていたインド人の男が話しかけてきた。

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インド人 男

おい!待て!そっちじゃないぞ!地下鉄はまだ空いてないんだ!

何だか怪しかったので、とりあえず無視して行こうとしたものの、

と、めちゃしつこい。

しつこかったし、そのまま進んでいっても確かに誰もいなかったし、とりあえず止まって話を聞いてみるかと思い、話を聞いてみた。

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インド人 男

やっと止まってくれたか。本当にやってないぞ地下鉄は。俺は〇〇だ。初めまして。キミの名前はなんていうんだ?

これが人生初めてのインド人との会話だったのだなと思うと、何だか悲しい気持ちになる。

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ゆーが

初めまして。僕の名前はゆーがです。ところで、地下鉄は本当にやってないの?

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インド人 男

ああ。本当だよ。始まるのは午前9時くらいだな。

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ゆーが

(午前9時か。長い。あと4時間もある。せっかく起きてここまできたのに、また戻って寝なおさなければならないのか、面倒だな。)

とか色々考えながら、彼との会話を続けていた。

後から調べたら、空港からニューデリー駅までの始発は、4:45だったため、これも大嘘かましてたんだなと思う。

「振り切って、もっと先まで歩いていれば。。」と何回思ったか分からない。

どこから来て何歳なのか、仕事はしているのか、学生なのか、インドは初めてなのか、など色々なことを信じられないくらい短時間で喋ったような記憶がある。

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インド人 男

んで、キミは地下鉄を使ってどこまで行く予定だったんだ?ニューデリーだろ?

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ゆーが

まあ、そうだけど。

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インド人 男

そうだよな。

実は、俺タクシードライバーなんだけど、俺の車に乗って行かないか?笑

俺ならタクシーで地下鉄の半分の料金で乗せてってやるぜ??

なんか陽気な奴だった。しかし、怪しい。当たり前だが、怪しい。

ただ、だいぶ怪しいタクシードライバーだとは思ったが、早朝にお客がいなくて暇してるから、日本人乗せて少し料金ふんだくって稼ごう、くらいの人だろうなと思っていた。

その先を想像できなかった。その時は。

 

めちゃくちゃ怪しかったので、随分渋った。多分20分くらい

最初は断ったが、じゃあ後4時間も空港で暇してんのか?と聞かれた時に、まあ確かにそれも嫌だなあと思った。

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インド人 男

いや、じゃあ分かった。

俺なら空港からニューデリーまで、地下鉄の半分の料金で連れてってやるよ。

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ゆーが

半分の料金かあ。

長期旅行をしたことのあるバックパッカーなら分かると思うが、割と序盤はお金を使いたくないものだ。

もしも何かあった時に、お金が足りなくなったらどうしよう、という不安が少なからずある。

街までの料金を見たら、そこには、60ルピーと書いてあった。

今調べたら、日本円にして約93円だった。半分だったら、約47円。

こんなくだらないトリックに引っかかってホントに馬鹿だなと思うが、着いたばかりの時は、何ルピーが何円だかよく記憶できていなかった。

何だか「半分」という言葉に釣られるようにして、だんだん半分なら乗ってもいいかなと思えてきてしまった。

しかも、よく考えたら、47円でタクシーを出す訳が無い。ああ、腹たってきた。

そんなこんなで、まあなんか陽気な奴だったし、しつこかったし、これも1つの旅の出会いの醍醐味なのかな、騙されてボッタクられても、数百円くらいだろう、と思って、

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ゆーが

まあ、じゃあ乗ってもいいよ。

と言ってしまった。

これが、僕の1ヶ月の旅を大きく左右する受け答えだった。

何回思い出しても、何で乗ったのだろうか自分でも謎である。

目的地に着かないタクシー。乗っていたらいきなり・・・・

僕が乗ると決めたことで、さらにテンションが上がった自称タクシードライバーの男は、車内でもすこぶる元気だった。

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インド人 男

インドに初めて来たなら、ヒンディー語を教えなきゃな!

いいか、ヒンディー語でちんちんは、〇〇っていうんだ!

発音してみろ!そうだそうだ、それで掴みはバッチリだぜ!

的なことを運転しながら、延々と喋っていた。

たまにヒンディー語を混ぜながら話してくるのと、英語のインド訛りが酷くて聞き取れず、ところどころ謎なところも沢山あったが、会話はできた。

運転手は、車内で下世話な話をしつつも、インドの危ないところや、食べた方がいい料理などを色々を教えてくれた。

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ゆーが

(やっぱり案外いい奴なのかもしれん。)

と思っていたが、1つの不安が生まれ始めた。

30分以上経っているのに、全然にニューデリーに到着しない。

おかしいなと思っていたが、「地球の歩き方」にはインディラ・ガンディー空港からニューデリーまでは、約30分くらいだと書いてあったので、やはり不安になってきた。

40分以上経過したところで、車は、街らしきところに入った。

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インド人 男

この辺は、もうニューデリーだぞ。ほら見ろ、お店がいっぱい見えるだろう。

確かに、街っぽかったので、ここがニューデリーなのかとも思ったが、どの店も空いてないし、何となく暗かったので、心配になった。

しかし、よく考えて見たら、僕はニューデリーを見たこともないため、そこがニューデリーなのか見ても分かる訳がない。

車は、そのまま街をしばらく周遊していたのだが、それでもニューデリー駅には着かない。

しびれを切らして、

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ゆーが

ねえ、あと駅までどれくらいかかるの?

と聞いてみた。すると、

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インド人 男

うーん。この辺のはずなんだけどなあ。ちょっと待ってくれよ。。あれ?わかんなくなっちゃったな。

と言い始めた。

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ゆーが

(おいおいマジかよ。こいつタクシードライバーなのに、道分かんねえのかよ。やべえな。)

そう思っていると、彼はこういった。

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インド人 男

んー。ちょっと分かんなくなっちゃった。

キミが窓を開けて、そこの道を歩いている人に行き先を聞いてみてくれないか?

地図を見せてもらった方が早い。

そう言って、道を歩いていた通行人の横に車を停めて、ヒンディー語で、何か話しかけてから、僕の方の窓を開けた。

僕は、言われた通りに車の窓から地図を出して、英語で、

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ゆーが

ここの場所に聞きたいんだけど、、

と聞いてみた。

すると、次の瞬間、話しかけた通行人が、僕の地図を凄い力で引っ張って、窓越しに僕を思い切り殴ってきた。

通行人の拳は、僕の胸の当たりにヒットし、僕は強い鈍痛を覚えた。

僕は、その時「死」を覚悟した。

運転手は、慌てふためいて、「うわああ!」という声をあげながら、そのままアクセルを踏んで、車を出した。

僕が、地図を掴んだままだったので、地図はビリビリに破けて、切れ端みたいなものだけを握っていた。

運転手が車を出してくれたので、僕を殴ってきた通行人の男は、何とか振り切ることができた。

僕はその一瞬で何が起こったのか、全く以って分からなかった。

状況を整理しようとしたが、頭が追いつかない。

動揺と重い鈍痛を感じながら、強く恐怖を感じた。

これがインドか。めちゃくちゃ怖いな。舐めていた。

すると、運転手が話しかけてくる。

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インド人 男

おい。大丈夫か。怪我はないか。

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ゆーが

一応大丈夫。

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インド人 男

怖かったな。インドにはああいう奴がいっぱいいるんだ。

特に暗い時間は、いっぱいうろついてる。

とりあえず、僕は「怖い」という感情しか覚えていない。

この時の会話も記憶は曖昧だが、多分こんなことを言ったと思う。

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インド人 男

今の時間帯は、危ないから、駅に行くのやめて、一旦避難した方がいい。

明るくなってから駅に行こう。

俺の事務所は安全だから、とりあえずそこで待とう。

どうだ。

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ゆーが

わかった。

そう言って、彼は、10分ほど車を走らせて、車を事務所らしき建物の前に停めた。

辺りはまだ薄暗くて、日が上る前だった。

僕は、彼に連れられて、薄暗い電球がついている建物の中に入った。

今はもう周りに何があったとか、事務所の中がどうだったとか、そんなことは覚えていない。

僕は、その事務所らしき建物の中の、1番奥の部屋に案内された。

中に入ると、そこは応接室のような部屋で、デスクに1人の男が座っていた。

②につづく。

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