こんにちは、WebライターとWeb制作でご飯を食べています。ゆーが(@yuga_th119)です。
最近Twitterで某有名プログラミングスクールが少し悪い意味でバズっていたのを見て少し物申したくなったため、久しぶりのブログ更新です。
なぜエンジニアでもなく、プログラミングが出来るわけでもない外野の僕がこんな記事を書こうと思ったのか。
理由は2つあります。
- 学生時代にプログラミングスクールの未経験者転職を斡旋する事業部で新規開拓営業のインターンをしていたことがあるから
- Web上で「無料スクールはゴミ!有料スクールは優良!」といった意見をよく見かけるから
僕は以前からWeb上で出てくる有料プログラミングスクールの情報は少し歪んでいるように思っていました。
そこで今回は実際に内部で働いたことのある自分の経験を少し提供しようかと思った次第です。
これから書く記事の内容は、2017年のことなので今より少し昔の情報になります。
また当時1人のインターン生の下っ端として働いていた僕個人の見解であるため、実際の内容をうまく把握できていない部分もあるかもかもしれません。
しかし、もしこれからプログラミングスクール経由で転職を考えている方がいれば、必ず1度は目を通して欲しい。
未経験の方には知っておいて欲しい1つの事実があるからです。
目次
2017年当時の時代背景
僕が働いていた2017年のこと。
当時まだ「プログラミングスクール=未経験エンジニア転職を斡旋」みたいなイメージが定着する前の時代でした。
単純に「1ヶ月10~15万円くらいの値段でプログラミングを学んでアプリが作れるようになる」学習コースを用意しているスクールが大多数。
僕のスクールは、当時から業界でもトップクラスの知名度を誇っていて、今思えばあんまり競合らしい競合はいなかった記憶があります。
僕が所属していたスクールは、当時はまだ先進的だった未経験者のエンジニアへの転職斡旋事業を始めたばかり。
事業部自体もまだ設立から1年経過していませんでした。
時代背景すら何も知らなかった文系大学2年生の僕は、業界のことなんて全くよく分からないまま働いていました。
僕が働いていた動機
働いていた動機としては単純に「成長したい」というありがちなもの。
当時僕は1社目のインターンを給与未払い問題で辞めたばかりで、次こそちゃんとした企業で働きたい!と躍起になって会社を探していた矢先。
その時にWantedlyで探して見つけたのが、プログラミングスクールを運営している会社でした。
求人としては「法人営業やりませんか?学生のうちに色々経験できます!」みたいな文句が並べられていた気がします。

おお!なんか法人営業って響き面白そうやな!会社に営業出来んのか!楽しそう!
すぐさま求人に応募し、面接で前社での災難を伝えて「ちゃんと営業学びたいんです!」と熱意を伝えたところ、すぐに働きましょうという運びに。
こうして大学2年生の僕は法人営業マン(仮)になった訳です。
担当業務は斡旋先企業への新規開拓営業(テレアポ)
そんな僕の出勤初日から待っていたのは、受講生の斡旋先企業を探すための新規開拓営業でした。
受講生を未経験からエンジニアに転職させる事業部ですが、できたばかりなので斡旋先の企業を探さないと、受講生に就職してもらえないんですよね。
そしてテレアポやったことある方は分かると思うんですけど、このテレアポが本当に辛かった。
これを機に僕は絶対に営業マンになるのは辞めようと決意したくらいです。
他のインターン生数人と社員の方と一緒にひたすら架電を繰り返す日々。
毎日ノルマを決めて、ただひたすら営業先リストに架電していました。辛すぎて逃げ出したかった本当に。
でも当時事業部には3人の営業社員の方がいて本当にみんないい人たちで。
めちゃくちゃ辛かったけど、社員の方と他のインターン生がいたから毎日頑張って営業電話できていました。
実際フリーランスになった今もこの時の営業経験が活きてるので、優しく教えてくれた社員の方にはとっても感謝しています。
それでも本当にキツかった思い出の多い新規開拓営業インターンでしたが、1番の理由は採用担当者からの当たりのキツさにありました。
「業務未経験の人材です!」と営業した時の採用担当者の反応
だんだん業務にも慣れてきて、僕は受付のお姉さんを突破し、採用担当者の方に繋がることが増えてきました。
しかし待っていたのは採用担当者からの厳しい洗礼。
もうだいぶ忘れてしまっていますが、こんな感じの営業トークだったと思います。

お世話になっております。株式会社〇〇の岡本です。今回は弊社の新しいサービスのご紹介の件でご連絡いたしました。
ほえー。どんなサービスなの。

はい。弊社では〇〇というプログラミング学習スクールを運営しており、業界でも非常に実績があります。
昨年の〇月より、そちらで培ったノウハウを生かして未経験の人材を3ヶ月で即戦力エンジニアとして育成するサービスを開始しました。
え?ん?ちょっと待って未経験?3ヶ月しか勉強してないんでしょ?そんな人材をウチに紹介しようってわけ?

はい。ただ未経験人材とは言いましても、弊社では入学前に適性テストを受けて頂いておりまして。
学歴もMARCH以上のポテンシャルの高い人材が本気で学習に取り組んでおり、、、
いやあでもウチは未経験はちょっとねえ。年齢は幾つなの?

はい。だいたい24~28歳くらいの方が多く、、
あーだったら新卒取った方が早いし、中途だったらもうちょっと経験ある人取るかな。ごめんなさいね。

あ、え、、、(ガチャリ)
これは一例ですが、こんな感じの採用担当者が本当に多数いました。
当たりキツイなあって感じ。
「未経験」と「3ヶ月」と伝えるだけで拒否反応を示されて、、、という永遠ループ。
この時に「エンジニアって未経験者はほぼ門前払いされるんだなあ」と感じていた記憶があります。
基本的にインターン生がアポを取れたら社員の人が営業に行くという形でした。
僕があんまり説明せずにアポ取れてしまい、社員の方が営業に行ったら「未経験者なんて聞いてねえよ!いるか!」とブチ切れられた事件もありました。
いやあ申し訳なかったですね。あれは。
今でこそ「未経験からエンジニア」の流れは当たり前になってきていますが、当時まだそんなに流行する前の段階だったので

なんでみんなエンジニアになんかなりたがるんだろう
と不思議に思っていました。
しかし当時は未経験→自社開発企業もそれなりにいた
そうはいっても、当時は未経験から自社開発企業に転職される方もそれなりいました。
時には「〇ーム〇ボ」「〇ringe」などのイケイケベンチャー企業に「受講生が決まった!」なんて話も話題にされていて

ほえー。未経験からそんな良い企業に行ける人もいるんだー。
とインターン生ながらに思っていました。
もちろんそういった話は一部で、他は「年収ちょっと低いけど就職決まった」とか「あの会社ちょっと心配だけど転職決まった」とかそんな話が多かったです。
ただ実際に自社開発企業に行ってる人がいたという事実は記憶しています。
僕が「有料のスクール=優良」という理論を信じてはいけないと思う理由
ネット上のプログラミングスクールの評価を見ると、下記の表のように評価されている印象を受けます。
無料のプログラミングスクール | ・就職先が選べないので、低単価低スキルのSES企業に突っ込まれる可能性が高い ・無料で学ぼうとする人たちは学習意欲が低い |
有料のプログラミングスクール | ・就職先を選べる+就職サポートをしてくれる ・自社開発企業を紹介してくれる割合が高い ・身銭を切って学んでいるため本気度が高い |
しかし本当にそうでしょうか。
僕からすると少々有料のスクールを買いかぶり過ぎているように思います。
有料のプログラミングスクールは3~4ヶ月通うだけで、50~90万円くらいを支払わなければなりません。
金額的な面で考えても、相当な覚悟を持って「時間とお金」を投資する必要がありますよね。
単純に有料スクールに行けば、良い企業に行きやすくなる!というのは少し安直に考えすぎではないかと思います。
具体的に有料のスクールが安全という理論を「信じてはいけない」と僕が思う理由は3つです。
理由① 営業先リストの中に「SES」がちゃんとあった
当時僕が担当していた営業先リストは、おそらく他社から購入したであろう営業先会社リストを利用していました。
業種としては基本的には専らIT企業で、ひとり200~300社くらいのリストにひたすら架電していきます。
リスト内の会社概要を簡単に見てイメージしてから電話をかけるのですが、事業内容に「システムエンジニアリングサービス」と書いてあるのを見かけることが多かったです。
そこである日僕は先輩社員さんに質問してみました。

Sさん!このシステムエンジニアリングサービスって何ですか?
ああそれか。それはSESのことやで。

ん?SESって何ですか?
そういえば説明してなかったな。
SESってのはエンジニアを集めて自社で雇って、あっちの現場こっちの現場に派遣してる派遣会社さんみたいなもん。
って覚えとけばええ。今はな。

ふーん。派遣会社みたいな感じなんすねえ。
SESは自分のサービスで利益出してる企業よりも、簡単に始めれんねん。
人さえ揃えば、あとは営業して仕事を取ってくるだけで金になるからな。
だからIT業界はSES企業の数がめっちゃ多いんよ。

なーるほど。そうなんですね。
とまあこんな感じで説明してもらいました。
その時以来僕はずっとSES=派遣会社だと認識していました。
しかし、最近この仕事をやるようになって、SESについて深く調べた時に「ああSESって派遣契約ですらないんだな」と知ることになります笑
兎にも角にも、僕が営業していた会社は今考えると相当な数のSES企業だったと思います。
こんなことを思い出す度に、僕は転職斡旋型のプログラミングスクールが公式HPで「自社開発企業への就職者60%」などと書いているのを見ると少し寒気がします。
理由② 昔より今はもっとSESとの提携は多いはず(予測)
僕が働いていた2017年でさえ、未経験者にとって風当たりは強い状況でした。
ここ数年でエンジニア系インフルエンサーによって、プログラミングは完全に情報商材化し、一気に未経験からエンジニアを目指す人が増えています。
エンジニアになりたい人が増えている一方で、スクール側が用意している提携先が当時からどのくらい増えているのかは分かりません。
ただ未経験から転職される方のリテラシーも上がってきて、自社開発企業を目指すようになった今、自社開発企業の採用枠は間違いなく相対的に減少しているはず。
そう考えるとなるべく受講生が行き場を失わないように、斡旋する最低限の就職先として、より多くのSES企業を用意するのは当然の成り行き。
スクール側としては、どんな企業でも受講生ひとり転職させたら、その人の年収の1/3くらい人材紹介料が入る仕組みになっています。
プログラミングスクールが儲かるべくして儲かるために、SES企業を最低限の保障として用意しておく必要があるのです。
理由③ そもそも未経験者が自社開発企業行くのは至難の業だから
営業やってた僕からすると、未経験から自社開発企業に行けるなんて本当なのかなと思う時があります。
受託企業でさえ割と反応厳しかったのに、自社開発なんて一体どんな裏技を使ったら未経験の人が入れるんだろうと。
よくTwitterのタイムラインを見ていると「3ヶ月で自社開発企業さんから内定頂きました!」みたいなツイートを見ますが本当にすごいことをやってのけてると思います。
ただそれに導かれるようにして「自分もエンジニアに!」と自社開発企業をゼロから目指す盲目な人たちが増えるのは、少し問題があるような気がします。
正直に言って、ほとんどの人にとって自社開発企業への道のりは凄まじいものになります。
テック系インフルエンサーの勝又健太さんも言っているように、年々未経験者の技術レベルが上がっています。
その結果としてポートフォリオの質も上がり、採用されるハードルも高くなっています。
未経験から自社開発企業に転職するには、相当頑張らないといけないことを覚えておく必要があるでしょう。
結論:「〇〇スクールが安全」じゃなくて自分の実力次第だと思う
とは言っても、未経験から自社開発企業のエンジニアに転職できる人も少なからずいます。
実際に僕の友人は、1年くらい地道に勉強して27歳未経験から見事に自社開発企業に入社していました。本当におめでとうございます。
僕が言いたいことは「〇〇スクールなら安全」みたいな考えでスクールを選ぶこと自体、絶対に間違っているということです。
そもそも通いさえすれば絶対に自社開発企業に行けるスクールなんて存在しません。
結局は未経験者が転職時に用意するべきは、良質なポートフォリオであるため、どこで身につけようと方法は関係ないんです。
確かにスクールに通うことで、学習スピードは格段に上がり、挫折率を圧倒的に抑えることは可能です。
しかし教材に目を向けた時に、独学でも学べる内容に対してウン十万も払って学ぶのはあまりに高すぎる。
どんなスクールに通ったとしても、結局最後は自分の実力が重要です。
この未経験エンジニア戦国時代において、あなたはどんな情報を信じ、どういった戦略で転職しようとしているのでしょうか。
スクール選び以前に、まずは情報を広く集めることからスタートしてみることをおすすめします。
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